From 8月 2014

「GODZILLA」を見ました(ネタバレ無し)

たまには全然関係ない話を、ということで。こないだ「GODZILLA」を観てきたんですよ。

結論から言うと”最高”でした!!!

結構ね、今回のこの「GODZILLA」、周りのゴジラ好きの人達の間での評判って良くないんですよ。Twitterとか見てても。
で、まぁいろんな観点から扱き下ろされてるんですが、その人達が言うことも頷けるんですよね。

僕らのようなゴジラに育てられた世代にとって、やっぱりゴジラっていうコンテンツ自体がとにかく特別で、
それが故にゴジラに求めるものって人それぞれ大きな差異があったりして。時折批判にさらされたり議論が白熱したり、そういう熱を帯びながら世代を超えて、半世紀以上もの長い間愛されている映画なんです。

だからそれぞれが抱える理想のゴジラ像(ゴジラ映画像)っていうのがあって、そこから逸脱、あるいはある領域において理想に及ばない場合、その人にとってそのゴジラは、面白くないものになってしまうんじゃないかな〜と思います。(ゴジラに限った話ではないですね)
で、前置きが長くなりましたが、なぜ僕が今回のこの「GODZILLA」について”最高”という感想を抱いたのかという話です。

僕にとって、ゴジラ、ゴジラ映画に求める物は、ゴジラ映画としてのスペクタクルです。
僕が一番夢中になってゴジラ映画を見ていた幼少期〜少年期に覚えたあの興奮が、ゴジラに一番求める物だったんですね。

世代としては平成VSシリーズにあたるので、一番最初に劇場で見た映画は「ゴジラvsキングギドラ」でした。とにかくそのリアリティ、ゴジラとキングギドラが戦う様にひどく興奮し、夢中になっていたことを覚えています。ゴジラやキングギドラが出てくるシーン以外の場面なんてのはまったく眼中にありませんでした。

ビデオや映画館でゴジラを見るとき、ゴジラやキングギドラやビオランテやモスラや様々な怪獣の、かっこよくもありチャーミングでもあるその姿に憧れ、ごっこ遊びをしたり、絵に描いたり、油ねんどでこしらえたりして興奮を昇華していたあの頃、映画としての出来不出来なんてどうでも良かったんですよね。

ただ彼らが、かっこよくスクリーンや14インチのテレビ画面で暴れていてくれればそれで良かったんです。それが僕にとってのゴジラでした。

 

しかし哀しいかな、人は少しづつ大人になり、色々な仕組みを知っていきます。

ある年齢を超えると、ゴジラたちが戦う街が、文字通りジオラマにしか見えなくなりました。
特撮技術で吹き飛ぶ瓦礫や、キグルミの怪獣たちの動きはスロー再生にしか見えなくなりました。
空を飛ぶものはピアノ線で吊ってある、という知識をどこからか得てしまいました。

あの怪獣たちを本物として見ていた時期の興奮は必然的に感じることができなくなり、その楽しみ方は次第に、大人同士の難しいドラマやテーマ、精巧に作られたジオラマやガワ、特撮技術を特撮技術として楽しむ方向にシフトしていきました。

 

さてその何年も後になった2014年、「GODZILLA」が公開されました。

そこでスクリーンに映し出されたゴジラ、そしてMUTOに、またしても僕は冷めやらぬ興奮を叩きつけられたのです。
CG技術の進歩や予算による面ももちろん大きいです。しかしそんなくだらん理由はともかくとして、今回の「GODZILLA」は、「本物のゴジラがそこにいて、戦っている!ビルが!街が!壊されている!」という何よりも価値のある感覚、あの幼少期、少年期の興奮を呼び起こしてくれたんです!

それがどれほど感動的な再会だったか。

それがどれほど待ちわびた瞬間だったか。

恐らく二度とは味わえないと思っていた感覚を再び感じることが出来た、それだけで、ギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA」は、僕に取って満点なんです。
そしてこの最新の技術を使ってゴジラを作ってくれたことに最大の敬意を評します。それ以外の映画としての出来不出来なんて、僕にとっては本当に取るに足らないものなんです。

さて、すでに次回作が決まっているギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA」ですが、次はあの怪獣やこの怪獣が出るらしく、ギャレス版はどんなデザインになってどんな動きで戦うんだろう〜〜〜と、あの頃と同じ心境で待ちわびています。

 

まだまだ劇場で公開されていますので、是非観に行ってみてください!せっかくネタバレ無しで感想記事書いたので!ぜひ!

ちなみに1998年、ローランド・エメリッヒ監督による映画「GODZIILA」が、同じく当時最新のCG技術を用いて制作され公開されたのですが、ゴジラのデザインが超巨大な二足歩行のイグアナのような見た目で、動きとか顔もティラノサウルスみたいな感じの、ハリウッド的解釈でリアリティを求められたデザインをしていました。個人的にはこれもこれでかっこよくて好きだったのですが、やはり内心は「ゴジラじゃあないな…」と思っていたのを覚えています。そしてそれもあってか、ゴジラ映画ではなく怪獣を使ったパニック映画に感じられてしまい、ギャレス版「GODZILLA」のような童心にかえる種類の興奮は得ることはできませんでした。それほどまでに、「ゴジラ」というキャラクターは大きな存在なんですね。

しかし映画としての出来は結構良いので、食わず嫌いをしている人はこちらも是非見てみるといいかと思います。面白いです。