みきとPさん新曲「バレリーコ」MVのイラストの長い話

というわけで、ついに発表になったみきとPさんの「バレリーコ」なんですが、まず最初にデモを聴かせていただいたときは名曲過ぎてどうしよう!って感じでした。
こんな気合いの入った楽曲には、こちらも気合で返さねばと思い、色々と考えながらラフを考えたのでした。

そんなわけで完成したのがtopにもあるあの絵なんですが、珍しく色々と細かい解説でもしようかなと思います。

モチーフになっているのはバレエダンス。それも誰もが知っている白鳥の湖ですね。

最初みきとPさんと打ち合わせをしていた段階では、具体的なイメージは「階段の踊り場で踊るジャンパースカートの女子高生」くらいのものだったのですが、やはり何を踊っているのかは具体的になっていたほうが絵にしやすいと思い、色々とモチーフを探っていました。

初期段階の歌詞から、表層的な印象と齟齬のある内面、もう一人の自分、といった感覚でイメージを広げ、ダーレン・アロノフスキー監督による映画「ブラック・スワン」、そして「白鳥の湖」と具体的なところにイメージを結びつけた感じになります。

このイラストでは、3つの像が表されています。
一つ目は「実像」。画面中央下部、ふとももと手のみが描写されているところで、この一人称視点の主人公です。歌詞は終始一人称視点で語られていたので、画面は主人公の視野で形作ろう、と考えました。

二つ目は「鏡像」。鏡に写る自分です。ここに具体的な仕組みは仕掛けませんでしたが、曲が進み、歌詞の展開によって徐々に見えている少女(自分)の印象が、誰か別の人間に思えるようになればと思いました。

三つ目は「虚像」。踊り場で文字通り踊っている実体のない自分の幻影です。彼女らには影もありませんし鏡にも映りません。彼女らが踊っているのは、「白鳥の湖」で、魔法にかけられ夜の間だけ人間に戻れるオデットが、湖のほとりで王子ジークフリートと恋に落ち、魔法を解くため、永遠の愛を誓う約束をするシーンです。一番右が白鳥の姿を顕著に表していますね。(順序的には右から左です)
主人公の少女の理想を幻影として踊らせました。現実の愛は果たして…と言った感じですね。

そんでそんで、イラストを納品して最終的にFixされた楽曲の歌詞とMVを見て、ウワワ〜!と思いました。
僕はあくまでイラストを完成させるための個人的な背景として上記を考えていただけだったので、まさか歌詞や動画でここまで発想を上乗せしてきてくれるとは思っていなかったのです。
「コラボレーションってこんなに気持ちのいいものなのか!」と、絶妙なカタルシスを感じました。みきとPさん、エンジニアの友達募集Pさん、そしてMVを作ってくださったりゅうせーさんには大感謝です。(動画には一時停止しないと読み取れない文字列が何度か出てきますが、そのいずれもがこのイラストの世界観を増幅させてくれるような素晴らしいものでした)


こちらにも動画を貼っておきますが、そんな感じで完成したMVですので、ぜひとも一度ご覧ください。
すんげ〜長くなってしまったけど、もし読んでくれた人がいたらめっちゃありがとうございました!

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